前回の記事、で
一応完結したはずの、タコのママ友シリーズ
ご紹介した、グループの常連以外にも
不定期で朝のコーヒー・ミーティングに参加していたママも数人いた中で
数ヶ月でキックアウト(追放)されたのは
キム同様、彼女の娘さんが息子のクラゲと小学一年生時に同じクラスだったので
お迎えや授業参観で、私も顔だけは知っていた。
ある日、近所の子供服チェーン店に行くと
彼女がそこで働いていた。
私を見て
「どこかで会ったことない?」
と聞くので
「子供たちが同じクラスなの」と言うと
道理で!と納得し、たわいない話をしたのち
キャリー「アナタ面白い!??
気に入ったわ!」
と言ってくれたのだが、私は内心、
い、いや…気に入られない方が
ありがたいんですけど…
とバチあたりにも思った。
なぜなら私は、彼女のような
ド派手なタイプは苦手だからだ…
プエルトリコ人の両親を持つ、アメリカ生まれの彼女のその頃のアイドルは
グエン・ステファニ
髪をブリーチ・ブロンドにし
グエンに似るよう厚塗りメイクで
ボディコンの
お色気ママだったのだ。
そんなキャリーが
私がキムの誘いでグループに入って間もない頃、いつものカフェに
「ハーイ、久しぶり?」とやってきた。
私を見ると嬉しそうに
「タコ!あなたもこのグループに?」
イエーイ!とハグしてくれたあと耳元で
「ヨカッタ。他の皆んなは何かお高くて
ソリ合わないけど、アナタがいるなら
もっと頻繁に来るようにするわ?」
とささやくので、とりあえずニッコリするしかない、八方美人のワタシ。??
キムとキャリーの娘同士が親友なので
キムが彼女をグループに誘ったのだが
明らかに彼女は、こんな私より更に
浮いているのだった!??
彼女が来るのは仕事が休みの時か
気が向いて仕事前にちょっと寄るかで
週に一回くらいなのだが
彼女がいると明らかに空気が違う…
てか、彼女が一人で喋りまくるのだ。
そしてその内容がドギツイのだ。
例えば
キャリー「ウチの旦那、絶対浮気してる!私より若い女よ。ジジイのくせに!
証拠捕まえて離婚してやる!」
グループの誰か「ご主人いくつなの?」
キャリー「アタシより20歳は上よ。彼3度目の結婚だから」
一同「??エエ?…」とちょっと引く。
また誰か「どうやって知り合ったの?」
キャリー「XXXXっていう店で働いてた時のお客だったの」
キム、サラ、ケイティ達アメリカンママ
「え!? あのXXXX!?
アナタ、アソコで働いてたの!?」
とドン引きになる。
名前も場所も忘れたが、地元の人には有名な
ストリップバーか際どいキャバレーかといった、風俗のお店らしい。
キャリー「やあねー!ダンサーじゃないわよ!ウェイトレスやってたの。
それで彼やたらチップ弾むし、身なりもいいからお金持ってそうと思って…
あー!今アンタたち、私のこと、
ゴールド・ディガー(金目当て)と
思ったでしょー!やあねー違うって!」
などに始まり
時には自分の家族や親戚の人たちの
ドロドロした愛憎劇の詳細などにも渡り
あまり朝から聞きたい話題じゃないし
しかもアンタんち、どーして皆が皆、
トラブルばっかりなワケ!?
なんかもう負の連鎖とかいうより
そんなコトしてりゃ、そーなるわな、と
自業自得的なエピソードばっかり?…
そんなキャリーがある朝またまた
波乱を呼ぶ発言を…
「聞いてよ?。可笑しいんだから。??
夕べさー、同僚の女性と遅くまで飲んでたら、彼女酔っ払ったのか何なのか、
アタシ、前からアナタのこと…とか言って、迫ってきちゃったワケ!」
一同「…… ゴクッ!(生唾)」??
キャリー「で、言ってやったの。
やっだー!
アタシそのケないわよ!
キモチワルイ??ってね。
キャッハッハ!」
オー、ノーオオオオ!
一同、サーッと血の気が引き??
すかさずカフェの中の他の客に目を走らせ、注目を集めていないか確認。
仮にもニューヨークシティのど真ん中の
ことさら前衛的ファンキーなカフェで
大声で高らかに発言して良い内容では
ないよう?? ?? ?? ??
(スミマセン…さぶいダジャレ)
時は今から13年くらい前とはいえ、当時すでにLGBT(性的少数者)の支持は充分進んでいたNYでは、笑い話にならない。
マズイ!マズイよ????
カフェの中にゲイ/レズビアンのお客さんがいる可能性、充分にある…
これ以上キャリーがそういった
差別的な発言を続けないうちに…
「あー!私、買い物があったんだ!」
「私も学校のボランティア行かなきゃ」
「私も用事思い出した」
皆わらわらと、蜘蛛の子散らすように
その場を逃げ去った。
それにしても
いくら自分はストレートでも
勇気出して本気で告白したのかも知れない同僚に対して
そんなコト言うなんて無神経すぎる。??
ちょうどその頃、仕事の日は子供たちのお迎えもその後の面倒も見れないと
口は悪いけど人の好いキムに、無料ベビーシッターをさせていたキャリーに
ついにキムがキレた??
「自分の3人の子供のそれぞれの習い事に、何でいつもアンタの子供たちまで、
ゾロゾロ連れてかなきゃいけないのよ!
チップ弾む太っ腹な旦那に、プロのベビーシッター、
雇ってもらいなさいよ!!」?? ??
という言葉とともにキャリーとの縁を
バッサリ切った??
当然憤慨したキャリーとキムの
火花の散る闘いはその後数年続いたが
おかげでコーヒーグループには
平和が訪れたのである。
感謝感激…?? 合掌する